約束を果たす方
神に近づく
約束を果たす方
人を信頼するのは難しい,と思うことがありますか。残念ながら,今の世の中では,信頼を裏切られることが珍しくありません。あなたも,信じた相手がうそをついたり約束を破ったりして,信頼を打ち砕かれたことがあるかもしれません。しかし,あなたの信頼に必ずこたえてくださる方がおられます。「心をつくしてエホバに依り頼め」と箴言 3章5節は勧めています。それほどまでにエホバを信頼できるのはなぜでしょうか。エホバに全幅の信頼を置いたヨシュアの言葉を調べてみましょう。ヨシュア 23章14節に記録されています。
モーセの後継者としてイスラエルを指導していたヨシュアは,110歳近くになっていました。それまでの長い人生で,エホバがイスラエルのために行なわれた力強い業の数々を自分の目で見てきました。60年ほど前に紅海で奇跡的に救出されたことも,その一つです。過去の出来事を思い出しながら,ヨシュアはイスラエルの「年長者と頭と裁き人とつかさたち」を呼び集めます。(ヨシュア 23:2)これからヨシュアが語る言葉には,年齢に伴う知恵だけでなく,信仰に満ちた心で黙想した結果が表われています。
「わたしは今日全地の人々の道を行こうとしています」とヨシュアは語り始めます。この「全地の人々の道」という表現は,死を指す慣用句です。ヨシュアは,「自分もそう長くはない」と言っていたのです。死が近いことを感じ,かなりの時間をかけて人生をじっくり振り返っていたに違いありません。仲間の崇拝者にどんな別れの言葉を述べるのでしょうか。
ヨシュアはこう続けます。「あなた方の神エホバの話されたすべての良い言葉は,その一言といえ果たされなかったものはありません。それはあなた方にとってすべてそのとおりになりました。その一言といえ果たされなかったものはありません」。この言葉から,ヨシュアが神に全幅の信頼を置いていたことが分かります。なぜそれほどまでに信頼していたのでしょうか。自分の見た様々な事柄を振り返り,エホバが約束を必ず守る方であるということを確信していたからです。 * この言葉に込められた気持ちは明らかです。ヨシュアは,将来に関するエホバの約束はすべて果たされるという全き信仰を,仲間のイスラエル人にも抱いてほしいと願っていたのです。
ヨシュア 23章14節について,ある聖書注釈書はこう述べています。「聖書の約束をすべて書き出し,次いで世界の歴史を調べ,そこに登場するすべての者に尋ねて,神が約束を破ったり忘れたりした例が一つでもあるか確かめてみよ」。もしそのような調査ができるとしたら,ヨシュアと同じ結論に,つまりエホバの約束が果たされずに終わることは決してないという結論に達することでしょう。―列王第一 8:56。イザヤ 55:10,11。
聖書には,すでに果たされた神の数々の約束が収められています。わたしたちの眼前で果たされているものもあります。さらに聖書には,人類の将来に関するエホバの素晴らしい約束も記されています。 * あなたも聖書を調べてみるのはいかがですか。聖書を研究するなら,エホバが約束を果たす方であり,本当に信頼に値する,ということを確信できるでしょう。
[脚注]
^ 4節 果たされるのをヨシュアが見たエホバの約束には,次のようなものがあります。イスラエルに土地を与え,所有させる。(創世記 12:7をヨシュア 11:23と比較してください。)イスラエルをエジプトから救い出す。(出エジプト記 3:8を出エジプト記 12:29-32と比較してください。)イスラエルを養う。―出エジプト記 16:4,13-15を申命記 8:3,4と比較してください。
^ 6節 将来に関する神の約束については,エホバの証人の発行した「聖書は実際に何を教えていますか」という本の第3章,第7章,第8章をご覧ください。