驚異の元素
「炭素は,わたしたちの生活になくてはならない元素である」と,「自然界の構成要素」(英語)という本は述べています。炭素はユニークな特徴を持ち,炭素同士で結びついたり,他の様々な化学元素と結びついて無数の化合物を作り出したりします。そうした化合物は,現在も発見されたり合成されたりしています。
ここで取り上げている例のように,炭素原子同士が結びつくと,鎖状,ピラミッド状,リング状,シート状,チューブ状など,いろいろな形状を取ります。炭素は本当に驚異的な元素です。
ダイヤモンド
炭素の原子が結びついて三角ピラミッド(正四面体)と呼ばれる形状を取ったもので,構造上きわめて硬く,自然界で最も硬度が高い物質です。最上級のダイヤモンドは炭素だけでできています。
グラファイト(黒鉛)
強い力でつながったシート状の炭素原子が,弱い力で層状に積み重なったものです。積み上げた書類のように,一枚一枚ずらすことができます。こうした特徴のゆえに,グラファイトは固形潤滑剤とされ,鉛筆の芯の主要成分としても使われます。 a
グラフェン
グラファイトのシート状の炭素原子の1層分に相当し,炭素原子がハニカム構造を取っています。鋼鉄の何倍もの引っ張り強度があります。鉛筆で描いた線は,1層あるいは数層から成る少量のグラフェンでできています。
フラーレン
閉殻空洞状の炭素原子で構成されていて,サッカーボール型やナノチューブと呼ばれるチューブ型のものがあります。どちらもナノメートル(100万分の1ミリメートル)レベルの大きさです。
生物の体
植物,動物,人体を構成している無数の細胞は,炭素の化合物である炭水化物,脂肪,アミノ酸などでできています。
「神の見えない特質……は,造られた物を通して認められる」。―ローマ 1:20。
a 「目ざめよ!」2007年7月号「だれか鉛筆持ってない?」という記事をご覧ください。