ドミニカ共和国
増加に取り組む
「あらゆる人が救われ」るようにする
エホバのご意志は,「あらゆる人が救われて,真理の正確な知識に至ること」です。(テモ一 2:4)この神の見方と調和して,ドミニカ共和国のエホバの証人たちは,区域に住むあらゆる人に会うための誠実な努力を払ってきました。それには,刑務所に収容されている人たちも含まれます。
1997年,特別開拓者の夫婦がサン・クリストバルのナハヨ刑務所を毎週訪問していました。二人は,薬物の密売で投獄されていた23歳のコロンビア人のグロリアという女性に出会い
ます。グロリアは,不当に投獄されていたある姉妹と聖書の話し合いをしていました。聖書の疑問に答えるため,兄弟姉妹はグロリアに「聖書から論じる」などの出版物を渡しました。熱心に学ぶグロリアから感化を受けた他の受刑者たちも,週1度の訪問の際の集まりに出席するようになり,その数は増えてゆきました。グロリアは,真理によって大きく変化します。1999年にバプテスマを受けていない伝道者になり,刑務所という区域で毎月70時間以上,宣べ伝えました。また,他の受刑者との進歩的な研究も6件司会しました。その後,2000年に大統領恩赦を申請すると,良い行状ゆえに受理されました。グロリアは釈放されてコロンビアに送り返されます。それから間もなく,家族からの強い反対はありましたが,バプテスマを受けました。
その後,グロリアは開拓奉仕を始めます。そして,長老の兄弟と結婚し,現在は夫と共に正規開拓者としてコロンビアの必要の大きな場所で奉仕しています。研究生の幾人かを献身とバプテスマの段階まで援助することができました。姉妹は,エホバに恩義を感じています。それで自分にしてもらったように,真理を知るよう人々を援助することが,エホバに感謝を示す最善の方法だと考えています。
グロリアの経験が示すように,鉄格子でさえ,命を救う真理を学ぶ妨げとはなりません。支部の代表者は刑務局の役人と会い,兄弟たちがさらに多くの刑務所で聖書研究を司会するための許可を願い求めました。結果として,43人の兄弟と6人の姉妹に,13の刑務所で聖書の教育活動を行なう許可が下りました。
「あなたの天幕の綱を長く……せよ」
20世紀の終わりには,この国に2万1684人の良いたよりの奉仕者がおり,342の会衆と交わっていました。また3万4380件の聖書研究が司会されていました。記念式には7万2679人が出席しました。こうした増加が得られたのは,エホバの民がイザヤの次の言葉に緊急感をもってこたえ応じたからです。「あなたの天幕の場所をもっと広くせよ。そして,彼らにあなたの壮大な幕屋の天幕布を張り伸ばさせよ。ためらうな。あなたの天幕の綱を長く……せよ」。―イザ 54:2。
増え続ける奉仕者を収容できる大会ホールの確保が大きな問題となりました。1996年に,サントドミンゴの支部に隣接する大会ホールが完成します。そのホールは,首都サントドミンゴとその周辺地域の諸会衆にとって大いに役立つものでし
た。しかし,残りの地域の諸会衆が使用するビリャ・ゴンサレスの大会ホールは,どう見ても改装もしくは建て替えが必要でした。2001年に統治体は,ビリャ・ゴンサレスの敷地に2500席の大会ホールの建設を承認しました。兄弟たちは,宣教訓練学校(現在は,「王国福音宣明者のための学校」)で使用する施設も建設されることを知り,興奮しました。大会ホールに隣接して建てられるその施設には,寮室,教室,図書室,厨房,食堂があります。2004年に統治体のセオドア・ジャラズが,献堂の話を行ないました。それ以来,15クラスの生徒がその学校を卒業しています。